当店でもお買取が非常に多い、Technics(テクニクス) のSL-1200シリーズ。レコードと親和性の高いターンテーブル。この唯一無二の名機に付いて詳しく説明します。
🎯 SL-1200 シリーズとは — 背景
SL-1200 は 1972年に松下電器産業(現・パナソニック/Technicsブランド)からリリースされた、ダイレクトドライブ方式のターンテーブル。モーター直結で、ベルトドライブよりも高トルク・高精度な回転が可能で、回転が安定。これにより、クラブやラジオ局などで重宝されるようになりました。
この安定性と剛性、耐振動構造などにより、当初Hi-Fi用途だったにもかかわらず、のちに世界中のDJ/クラブ文化の標準機となります。
「レコードプレーヤー」から「DJツール」へ。
1970〜80年代にかけて、ヒップホップ、ターンテーブリズム、ハウス/テクノなどのDJ/クラブ文化が拡大するなかで、SL-1200シリーズは“文化の根幹を支えた機材”として位置づけられます。
シリーズ全体として、2025年時点で「SL-1200」の名前は、もはや“1モデル”ではなく「SL-1200 シリーズ全体」を指すことが多いです。
✅ SL-1200 年代順リスト(発売年・型番・特徴)
🔵 1970年代前半:誕生期(Hi-Fiレコードプレーヤー時代)
● 1972年:SL-1200(初代)
• ダイレクトドライブの革命
• 当時としては異常なトルクと回転精度 → 放送局で採用
• まだ“DJ用”ではなく Hi-Fi 志向
🔵 1979年:クラブ文化の土台を作った名機
⭐ 1979年:SL-1200MK2(世界的定番)
• クォーツロックで超安定回転
• ピッチフェーダー搭載で DJ 仕様に変身
• “SL-1200 といえば MK2” と言われるほど普及
• ヒップホップ・ハウス・テクノ・クラブの標準機へ
⸻
🔵 1980年代後半〜1990年代:日本独自進化(MK3 以降)
◆ 1989年:SL-1200MK3(日本市場モデル)
• MK2を強化した国内特化モデル
• ジンバルサスペンショントーンアーム
• ゴムデッドニングで振動対策が大幅強化(ライブハウスの低音対策)
• クラブの普及期に “壊れないDJターンテーブル” として人気
◆ 1997年:SL-1200MK3D
• ピッチロックのON/OFFスイッチ搭載
• ピッチフェーダーのセンタークリック除去(より細かい操作が可能)
• 90年代後半のクラブカルチャーの中心モデル
⸻
🔵 2000年代:安定期(MK4〜MK6)
◆ 1996年:SL-1200MK4(オーディオ寄り)
• 唯一の アーム交換が可能なモデル
• フォノ以外に ライン出力対応(海外では珍しい)
• DJよりオーディオ層に人気
◆ 2000年:SL-1200MK5
• ピッチ精度が向上
• トルク・スピード安定性も微改善
• クラブの“業務機”として長年レギュラー
◆ 2002年:SL-1200MK5G(高級・アニバーサリー)
• ブラッククローム仕様
• 0.002%という超低ワウフラ
• 高精度フェーダー搭載
• “所有欲をくすぐる”シリーズ最上位
◆ 2007年:SL-1200MK6(最終アナログ期)
• 旧シリーズの最終モデル
• 制振ゴムが最新化され、回転安定性が極まる
• 生産終了前に“プレミア化”した名機。
⸻
🔵 2010年:生産終了 → レコードブーム再燃で復活
◆ 2016年:SL-1200G / SL-1200GAE(復活モデル)
• Hi-Fi クラスの完全新設計。
• コアレスモーター採用で回転ムラ激減
• レコードオーディオマニア向けの超高級ライン
⸻
🔵 2019年:待望のDJライン復活 → MK7登場
⭐ SL-1200MK7(2019〜)
• 旧MK2/MK3 の感触を継承した“本流復活”。
• コアレスダイレクトドライブ
• 逆回転機能
• 軽量化しつつ剛性UP、制振構造改良
• 赤色LEDライト
• 家庭用〜クラブまで“現行SL-1200の決定版”。
⸻
🔵 2022〜2024:限定カラーを多数展開
◆ SL-1200M7L(50周年限定)
• イエロー・レッド・ブルーなど7色
• 世界限定12,000台
• コレクター市場で非常に人気。
🌍 なぜ SL-1200 は “ただの再生機” ではなく、カルチャーになったか
• 高トルク direct-drive と安定回転 — これにより、スクラッチ、ビートマッチ、ターンテーブリズムなど、レコードを“演奏”/“操作”する技が生まれた。これが Hip hop、クラブ/ハウス/テクノなどの DJ文化の土台になりました。
• 音楽ジャンルそのものや「DJ≒演奏者」の概念を変えた — レコードをただ再生するのではなく、音を操る “手段” としてのターンテーブルの可能性を広げました。
• 長年にわたる信頼性と品質 — 重厚な筐体と耐久構造で、クラブ/ツアー/レコード店/家と、あらゆる場面でタフに使われてきた。これが「SL-1200=安心と定番」というブランド価値を築きました。
🏆 SL-1200シリーズが愛される理由(レコード文化視点)
・壊れない、狂わない、ズレない
・世界のDJが同じターンテーブルを使った → 基準が統一された
・Hi-Fi と DJ の両方に使える唯一のターンテーブル
・Made in Japan の象徴的名機
・修理パーツが豊富で、長く使える
SL-1200の査定では、回転精度・トルク・ピッチフェーダーの状態、アームのヘタり、ライト類の点灯、外観の傷、脚の状態、付属品の有無が重要です。特にピッチフェーダーとアーム周りは価格が大きく左右します。純正状態で使用感の少ない個体は高評価になります。
以下は当店でお買取させて頂いたSL-1200シリーズです。
アームレストが破損しているものや、スタイラスイルミネータが点灯しないものも過去にお買取させて頂いております。

ターンテーブルは写真を撮って送るだけのLINE査定を利用される方が多いです。
型番や状態が分かれば、買取上限金額のご提示がすぐに可能です。
レコードと一緒にお買取させて頂きます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

























